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短報
毎日の浣腸で減薬が可能となり,巨大結腸,イレウス傾向の改善を見た1例
著者: 平田祐子1 上野秀樹1 分島徹1 岡崎祐士1
所属機関: 1東京都立松沢病院精神科
ページ範囲:P.175 - P.177
文献購入ページに移動薬物治療は精神療法や行動療法同様,精神疾患の治療において治療の軸となる。精神科治療薬は単一の神経伝達系に作用するのではなく,さまざまな副作用を有する。可逆的な副作用もあれば不可逆的なものもあり,重症度も違う。その中で慢性的な便秘には日常的に遭遇し,イレウス,巨大結腸も散見される。
巨大結腸症はX線造影で結腸の最大径が7cm以上のものをいう。以前羽生ら3,4)が報告したが,長期入院患者に慢性の便秘が多く,下剤の投与量も多い。巨大結腸は一般に不可逆的と考えられているが,今回我々はイレウスを繰り返し,巨大結腸を呈してから10年が経過し体重減少が著しかった1症例に対し,毎日のGlycerine enema(以下GE)を試みたので報告する。
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