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向精神薬大量服用の後,悪性症候群およびギラン・バレー症候群を発症した1例
著者: 赤澤美歩12 津田真2 前林佳朗3 石黒淳4 河瀬雅紀5 福居顯二6
所属機関: 1東香里病院精神神経科 2大津市民病院緩和ケア科 3大津市民病院心療内科 4バイオメンタルクリニック 5京都ノートルダム女子大学心理学部心理学科 6京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態
ページ範囲:P.183 - P.186
文献購入ページに移動総合病院救急外来では,大量服薬による自殺企図患者は比較的よくみられる。その中の大多数は胃洗浄,輸液管理などの処置のみで,重い急性薬物中毒症状を呈することなく経過するが,まれに誤嚥性肺炎や肝機能障害など重篤な身体合併症を生じ,厳重な身体管理を要する症例にも遭遇する。今回我々は,向精神薬の大量服用による緊急入院後,悪性症候群を発症して呼吸不全および血小板減少を生じ,その後危機的状況はいったん改善したが,引き続きギラン・バレー症候群を併発し,長期療養とリハビリテーションが必要となった境界性人格障害の症例を経験したので報告する。なお,今回の発表につき患者本人の同意を得た。
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