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4-acetoxy-N-methyl-N-isopropyltryptamine(4-AcO-MIPT)過量服薬により知覚変容,幻視,意識障害,脱抑制を呈して高所からの飛び降りに至った1症例
著者: 安藤英祐1 市村篤1 矢野広1 大屋彰利1 煙石洋一1 山際武志2 猪股誠司1 遠藤由貴1 大西雄一1 尾形和生1 猪口貞樹2 松本英夫1
所属機関: 1東海大学医学部専門診療学系精神科学 2東海大学医学部専門診療学系救命救急医学
ページ範囲:P.189 - P.192
文献購入ページに移動近年,本邦では脱法ドラッグと称される薬物が流通し,これらの使用による急性薬物中毒の症例が報告されている1,6,11)。脱法ドラッグはインターネットなどで容易に購入できるようになっており10),薬事法の改正や東京都の条例の適用により規制の対象薬物に指定されると,その薬物の化学構造式に類似した物質が製造,販売されるためその乱用は後を絶たない7,9)。有名なものに5-methoxy-N,N-diisopropyltryptamine(5-MeO-DIPT,通称「ディプト」「ゴメオ」)が挙げられるが,2005年4月17日以降は麻薬に指定され,次に販売された5-methoxy-N-methyl-N-isopropyltryptamine(5-MeO-IPT,通称「ミプト」)も2005年6月1日以降は東京都の知事指定薬物に指定され取り締まりの対象になった11)。今回我々は5-MeO-IPTの化学構造式を変えた4-acetoxy-N-methyl-N-isopropyltryptamine(4-AcO-MIPT,通称「ラビリンス」)を過量服薬して知覚変容,幻視,意識障害,脱抑制を呈し,その結果として高所からの飛び降りに至った1症例を経験したので報告する。なお報告にあたって口頭にて本人の同意を得た。また,科学的考察のために支障のない範囲でプライバシー保護のために症例の内容を変更した。
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