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精神症状発現と脳波異常が確認された時期との間に時間的な乖離が認められた脳髄膜炎の1例
著者: 大島智弘1 加藤悦史1 千田真典1 兼本浩祐1
所属機関: 1愛知医科大学精神科学教室
ページ範囲:P.433 - P.435
文献購入ページに移動神経系の急性感染症は,発熱や髄膜刺激症状にけいれんなどの脳症状を伴い救急外来や内科を訪れることが多い。しかし,発症時に精神症状を呈し精神科を受診する場合,統合失調症や不安障害といった精神疾患と誤診される可能性もある4)。診断のためには髄液検査が重要であるが,髄膜炎を合併していないときには髄液所見が正常のこともある3)。したがって,初期診断は臨床症状と各種検査を総合して行うことが重要となる。ところで,脳波検査は容易に行うことができることから脳炎の初期診断に重要な検査の一つである。一般に初期から徐波化を主体とする脳波異常が出現するといわれている5)が,今回我々は精神症状発現と脳波異常が確認された時期との間に時間的な乖離が認められた脳髄膜炎の1例を経験したので報告する。
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