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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻4号

2007年04月発行

文献概要

「精神医学」への手紙

123I-MIBG心筋シンチグラフィにおける薬物の影響

著者: 山下幸記1 宮田信司1 寺田整司1 黒田重利1 田岡秀樹2 野村晃2

所属機関: 1岡山大学医学部・歯学部附属病院精神科神経科 2笠岡病院

ページ範囲:P.437 - P.437

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 近年,Lewy小体病において,123I-meta-iodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィ検査(MIBGシンチ)で,心筋へのMIBG取り込み低下が特異的に認められることが報告され,MIBGシンチがLewy小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)と他の認知症性疾患との鑑別に役立つことが明らかとなった2)。ただ,MIBGシンチは内服薬剤の影響も受けやすい検査であり,注意が必要である。今回,我々はmodified electroconvulsive therapy(m-ECT)を目的として入院した80歳女性で興味深い検査結果を経験したので報告する。

 患者は抑うつ,自発性低下を示し,うつ病と診断され入院した。入院時の神経学的診察で寡動,筋固縮も認められ,Parkinson病(Parkinson's disease;PD)あるいはDLBも疑われたため,入院10日目にMIBGシンチを施行した。その結果,心臓/縦隔比(H/M比)はearly stage 1.85,late stage 1.42と異常低下が強く示唆された。ただ同時期に,抗うつ薬としてmianserin hydrochloride60mg/日,milnacipran hydrochloride150mg/日,降圧薬としてamlodipine besilate2.5mg/日を内服中であり,薬剤の影響も疑われたため,これらを中止した後,入院62日目に再検査したところ,early stage 2.29,late stage 1.87とほぼ正常値に回復した。

参考文献

I-meta-iodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィー.柳澤信夫,篠原幸人,岩田誠,他 編,Annual Review神経2003,中外医学社,pp299-307,2003
I-MIBG心筋シンチグラフィー.神経内科 64:573-578,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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