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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻5号

2007年05月発行

文献概要

短報

心囊液貯留と脳性ナトリウム利尿ペプチド高値を伴った神経性無食欲症の1症例

著者: 石川博康12 徳永純1 森朱音1 菅原純哉1 下村辰雄3 清水徹男1

所属機関: 1秋田大学医学部神経運動器学講座精神科学分野 2東北大学大学院医学系研究科高齢者高次脳医学寄附講座 3秋田県立リハビリテーション・精神医療センターリハビリテーション科

ページ範囲:P.539 - P.541

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はじめに

 近年神経性無食欲症(AN)では心囊液貯留が高頻度に合併することが指摘されており,その頻度は15~71%と報告されている。また心囊液貯留を伴うANの一部では脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の高値が報告されており,BNP値は経過観察の指標として有用であることが指摘されている。我々は21歳女性のAN(むちゃ食い/排出型)の症例において,心囊液貯留と高心拍出性心不全を反映したBNP高値を伴った1症例を経験したので報告する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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