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オピニオン 発達障害に関連する諸概念と診断基準について
注意欠陥/多動性障害は発達障害圏の中に包括し得るのか?
著者: 花田雅憲1
所属機関: 1近畿大学
ページ範囲:P.568 - P.570
文献購入ページに移動はじめに
注意欠陥/多動性障害Attention-Defict/Hyperactivity disorder(AD/HD)は,DSM-Ⅳ(1994)に記載された,通常,幼児期,小児期または青年期に初めて診断される障害の一つで,特徴として,①不注意(9項目),②多動性(6項目),③衝動性(3項目)が挙げられている。類似したものに,ICD-10(1992)の多動性障害Hyperkinetic Disorders(HD)がある。両者は,診断基準の内容がほぼ同じで,AD/HDとHDを区別して使用している医師は少ないと考える。
医学的に発達障害の概念は変化しており,精神遅滞,広汎性発達障害,特異的発達障害(学習能力障害,言語と会話の障害,運動能力障害)が発達障害と考えられていたが,DSM-ⅣおよびICD-10では,精神遅滞が単独の項で別にして分類されている。
他方,教育関係で,2007年4月から始まる特別支援教育の中で,学習障害,AD/HD,高機能自閉症などを発達障害として取り上げており,この用語と医学で用いている発達障害の用語が混乱していると考える。
注意欠陥/多動性障害Attention-Defict/Hyperactivity disorder(AD/HD)は,DSM-Ⅳ(1994)に記載された,通常,幼児期,小児期または青年期に初めて診断される障害の一つで,特徴として,①不注意(9項目),②多動性(6項目),③衝動性(3項目)が挙げられている。類似したものに,ICD-10(1992)の多動性障害Hyperkinetic Disorders(HD)がある。両者は,診断基準の内容がほぼ同じで,AD/HDとHDを区別して使用している医師は少ないと考える。
医学的に発達障害の概念は変化しており,精神遅滞,広汎性発達障害,特異的発達障害(学習能力障害,言語と会話の障害,運動能力障害)が発達障害と考えられていたが,DSM-ⅣおよびICD-10では,精神遅滞が単独の項で別にして分類されている。
他方,教育関係で,2007年4月から始まる特別支援教育の中で,学習障害,AD/HD,高機能自閉症などを発達障害として取り上げており,この用語と医学で用いている発達障害の用語が混乱していると考える。
参考文献
1) Eugene AL, Jensen SP:Attention deficit disorders. In:Kaplan IH, Sadock JB eds. Comprehensive Textbook of Psychiatry VI, Williams Wilkins, pp2295-2310, Baltimore, 1995
2) Faraone S, Biederman J:Genetics of attention deficit hyperactivity disorder. In:Greenhill L ed. Child and Adolescent Psychiatric Clinics of North America:Disruptive disorders. Sunders. Philadelphia, PA 285-301, 1994
3) Fisher B:Understanding attention deficit disorder from a theoretical perspective. In:Fisher B ed. Attention Deficit Disorder Misdiagnosis, CRC press, New York, pp1-11, 1998
4) Pasamanick B, Knobloch H:Syndrome of minimal cerebral damage in infancy. JAMA 170:1384-1387, 1959
5) Schachar RJ:Hyperkinetic syndrome;Historical development of the concept. Taylor EA ed. The Overactive Child. Spastics International Medical Publications, Oxford, pp19-40, 1986
6) Wender P:Attention deficit disorder in adults. Oxford Press, New York, 1995
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