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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻6号

2007年06月発行

文献概要

オピニオン 発達障害に関連する諸概念と診断基準について

注意欠陥/多動性障害は発達障害圏の中に包括し得るのか?

著者: 齊藤万比古1

所属機関: 1国立精神・神経センター国府台病院

ページ範囲:P.571 - P.573

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はじめに

 今回の設問は,注意欠陥/多動性障害(以下AD/HD)が「発達障害」に含まれることに特に違和感を持つことなく受け入れてきた児童精神科医の一人として,その合理性と妥当性に関して改めて直面する機会を与えてくれた。振り返ってみれば,私は過去10年ほどにわたってAD/HD概念の有用性を世に訴え,その疾病概念を精神医学の中に正当に位置づけるべきであると主張してきた医師の一人であった。しかし私には,一方の陣営に属することによって見えなくなってしまうものが確かにあるという感覚もある。そのような観点から,AD/HDは発達障害に包括することは適切か否かについて答えてみたい。

参考文献

1) Barkley RA ed.:Attention-Deficit Hyperactivity Disorder. A Handbook for Diagnosis and Treatment, Third Edition. The Guilford Press, New York, 2006
2) 齊藤万比古,渡部京太 編:改訂版 注意欠陥/多動性障害の診断・治療ガイドライン.じほう,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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