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文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻8号

2007年08月発行

文献概要

動き

「JSTP-WPATPS-WACP Joint Meeting in Kamakura」印象記

著者: 近藤州1 大塚公一郎12

所属機関: 1自治医科大学精神医学教室 2自治医科大学看護学部

ページ範囲:P.874 - P.875

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 2007年4月27~29日,神奈川県葉山町の湘南国際村にて,日本の多文化間精神医学会(JSTP),世界精神医学会の多文化間精神医学セクション(WPATPS),そして世界文化精神医学会(WACP)の合同の「The New Era of Transcultural Psychiatry:Advancing Collaboration of East and West多文化間精神医学の新しい時代:東と西の協働」と題された国際ミーティングが開催された。この分野のジョイントミーティングとしては,2002年に横浜で世界精神医学会が開催された際に,同学会の日程に合わせてJSTPとWPATPSのジョイントミーティングが開催されているが,単独での開催は初めての試みとなった。先立って世界文化精神医学会の第1回大会が2006年9月に北京で開催されたばかりであったが,その場で意気投合した各学会の先生方により半年後に日本で開催することが急遽決まったと伝え聞く。準備期間の短さから,国内外に十分周知されていなかったのではという筆者の危惧は,当日会場に足を踏み入れた途端に払拭された。200人を超える参加者の半数は海外からの参加で,その中には発表予定のない参加者も多く含まれていたという。まさにこの分野に携わる人々の世界を股に架ける連携の強さを表すイベントであったといえよう。

 会場となった湘南国際村は小高い丘の上に立ち,春の陽光に包まれ,富士山の絶景も眼前に広がる素晴らしい立地で,建物の内部も採光が上手になされていて,その場にいるだけで清々しい気分になれた。実際のシンポジウムなどはメイン会場の他3つの会場で催され,28のシンポジウム,3つのプレナリーセッション,4つの講演,ポスター発表,さらに3つのビデオセッションと盛りだくさんの内容であった。初日の朝に開会式があり,その後は毎朝,プレナリーセッションに始まり,初日と2日目は各会場のシンポジウムが昼の講演をはさんで夕方までびっしりと続き,そのまま夜の立食パーティが会場内で開かれた。さらに初日の晩は,立食パーティの後にアメリカのFrancis G. Lu教授によるビデオセッションが行われ,なんとこれが3時間に及ぶ熱演であった。また,2日目の立食パーティでは,葉山太鼓保存会の方々による葉山太鼓の勇壮な演奏がなされ,大いに場を盛り上げていた。3日目は午前中のシンポジウムの後,昼の閉会式を経て鎌倉の円覚寺管長による一般公開の講演があり,夕方からは葉山リゾートでのクルージングパーティで3日間の充実した会の幕が閉じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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