文献詳細
書評
―Michael Gelder,Richard Mayou,John Geddes 著,山内俊雄 監訳,丸山 敬 訳―オックスフォード・精神医学 フリーアクセス
著者: 西園昌久1
所属機関: 1心理社会的精神医学研究所
ページ範囲:P.878 - P.878
文献概要
まず冒頭の第1章,第2章で,先述した知識,技能,態度の3つの目標が具体的にどのように記載されるか見てみよう。第1章は「徴候,症状,診断」であるが,必要な症状の記載説明にとどまっていない。「診察と診断は患者理解の一部に過ぎない。診察も診断も各患者を唯一無二の人間であると理解することに,裏打ちされていなければならない。これは本からだけでは学べない。患者の訴えに真摯に耳を傾けて初めて学ぶことができるものである」と態度のかけがえのないことを明記している。第2章の「評価」の情報収集の項目の中で,面接場面での患者の椅子の取り方,医師の座る位置という技法について述べている。あくまで,患者中心である。これが本書の第1の特徴。
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