icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学49巻9号

2007年09月発行

文献概要

私のカルテから

大声で高音の不随意発声を繰り返した遅発性ジスキネジアの1例

著者: 阿部和彦12 高橋俊文2

所属機関: 1西南女学院大学保健福祉学部 2いしい記念病院精神科

ページ範囲:P.971 - P.972

文献購入ページに移動
はじめに

 遅発性ジスキネジアの中には横隔膜や呼吸筋のジスキネジア(respiratory dyskinesia)を伴う症例があり,それは不規則な呼吸,息切れや不随意発声(うなり声など)のため呼吸器疾患4)や心身症2)と間違えられやすいと報告されている。このような症例は,遅発性ジスキネジアの約7%を占めると報告されている5)。筆者らは高音で大声の不随意発声を伴った持続的な遅発性ジスキネジアの症例を経験し,抗精神病薬の中止後,発声は減少して消失し,その後,口,頬,舌のジスキネジアも軽快して消失したので報告する。

参考文献

1) Bick PA:Respiratory dyskinesia. Psychosomatics 24:163, 1983
2) Greenberg DB, Murray GB:Hyperventilation as a variant of tardive dyskinesia. J Clin Psychiatry 42:401-403, 1981
3) Kane JM:Tardive dyskinesia. In:Joseph AB, Young RR, ed. Movement Disorders in Neurology and Neuropsychiatry. Blackwell Science, Malden, pp31-35, 1999
4) Weiner WJ, Goetz CG, Nausieda PA, et al:Respiratory dyskinesias:Extrapyramidal dysfunction and dyspnea. Ann Int Med 88:327-331, 1978
5) Yassa R, Lai S:Respiratory irregularity and tardive dyskinesia. A prevalence study. Acta Psychiat Scand 73:506-510, 1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら