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下痢型過敏性腸症候群を併発したうつ病に対する三環系抗うつ薬の効果
著者: 中川誠秀1
所属機関: 1(財)神経研究所晴和病院
ページ範囲:P.973 - P.974
文献購入ページに移動うつ病に消化器症状を併発するタイプのものが,臨床上少なからずみられる。中でも過敏性腸症候群irritable bowel syndrome(IBS)でよくみられる几帳面さ,ストレス,不安,緊張は,うつ状態との関連性が強い。また,多くのIBS患者に,うつ病が合併するという報告もある2)。IBSとは,大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称とされ,下痢型diarrhea-predominant IBS(IBS-D)では下痢のみが持続する。今回,ICD-10の診断基準を満たすうつ病エピソードとIBS-Dの併発例に,抗choline作用の強い三環系抗うつ薬tricyclic antidepressants(TCAs)(amitriptyline,clomipramine)が奏効した中高年の2症例を経験したので,ここに若干の考察を加えて報告する。
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