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「第29回日本生物学的精神医学会(BP)・第37回日本神経精神薬理学会(NP)合同年会」印象記
著者: 山脇成人1
所属機関: 1広島大学大学院精神神経医科学
ページ範囲:P.982 - P.983
文献購入ページに移動 2007年7月11~13日,札幌市において第29回BP(会長:北海道大学精神医学 小山司教授)と第37回NP(会長:北海道大学神経薬理学 吉岡充弘教授)の合同年会が約900名の参加者を得て開催され,成功裡のうちに終了した。本合同年会のテーマは“Bridging Bench and Bed”と題して,神経精神薬理学・生物学的精神医学研究分野における基礎研究と臨床研究の融合を意識したプログラムで構成されていた。特別講演として,小山会長の留学時代の恩師であるVanderbilt大学のMeltzer教授による「統合失調症治療におけるクロザピンの特別な役割」に関する講演,Serotonin Clubの代表であるOxford大学のSharp教授による「セロトニントランスポーター遺伝子多型の神経生物学」に関する講演,Case Western Reserve大学のCalabrese教授による「双極性うつ病治療における副作用管理」に関する講演が行われた。会長講演では小山教授が,北海道大学において展開された20年間のうつ病研究の成果を講演された。うつ病におけるドパミンの果たす役割について早期から注目され,その先見性を改めて実感した。また,吉岡教授は循環薬理学から精神神経薬理に研究の方向性を転換された経緯とともに,最近話題となっている幼弱期ストレスと情動反応,特にその臨界期についてセロトニン神経機能を中心にまとめられ,児童精神医学の臨床に示唆を与える講演であった。
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