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研究と報告
興味ある若年進行麻痺の1例
著者: 大原健士郎1 佐々木三男1 藍沢鎮雄1 真坂孝二2
所属機関: 1慈恵医大神経科教室 2慈恵医大小児科教室
ページ範囲:P.801 - P.806
文献購入ページに移動近年,進行麻痺患者の激減に伴い,若年進行麻痺に接する機会も少なくなつてきた。ここに報告する1例は,比較的特異な経過をとり,発病初期には小児神経症と誤診され,その後,症状の変化につれて,精神薄弱や精神分裂病とも誤まられ,幾人かの医師の手を経て初めて診断が確定したものである。病初にくだされた誤診の原因を推察するに,実母が性病の既往を否定したこと(家族歴の詳細は最近になつて明らかにされた),患者の通院していた病院の地区は問題児が多く,主訴が怠学から始まつていたこと,家庭や学校にも問題が多かつたことなどのために,適切な諸検査が行なわれないままに長期間,問題児として扱われ,処置されていたものと考えられる。
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