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文献詳細

雑誌文献

精神医学5巻10号

1963年10月発行

文献概要

研究と報告

興味ある若年進行麻痺の1例

著者: 大原健士郎1 佐々木三男1 藍沢鎮雄1 真坂孝二2

所属機関: 1慈恵医大神経科教室 2慈恵医大小児科教室

ページ範囲:P.801 - P.806

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I.はしがき
 近年,進行麻痺患者の激減に伴い,若年進行麻痺に接する機会も少なくなつてきた。ここに報告する1例は,比較的特異な経過をとり,発病初期には小児神経症と誤診され,その後,症状の変化につれて,精神薄弱や精神分裂病とも誤まられ,幾人かの医師の手を経て初めて診断が確定したものである。病初にくだされた誤診の原因を推察するに,実母が性病の既往を否定したこと(家族歴の詳細は最近になつて明らかにされた),患者の通院していた病院の地区は問題児が多く,主訴が怠学から始まつていたこと,家庭や学校にも問題が多かつたことなどのために,適切な諸検査が行なわれないままに長期間,問題児として扱われ,処置されていたものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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