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文献詳細

雑誌文献

精神医学5巻11号

1963年11月発行

研究と報告

了解的方法に関する一批判—とくにK. Jaspersの了解心理学に関して

著者: 前田利男1

所属機関: 1新潟大学医学部精神神経学教室

ページ範囲:P.903 - P.911

文献概要

I.緒言
 日常の臨床的精神医学にとつて了解が重要な役割をはたしていることは多言を要しない。とくにK. JaspersやK. Schneiderなどの立場においては,了解的,非了解的ということがただちに臨床的に有力な診断の基準であるかのごとく思われる。
 ひるがえつて,科学としての精神医学がその普遍妥当性と現実強制力とを有することを要請されているならば,この了解的方法もまた厳密な学問的概念規定と方法論とをもたねばならないであろう。しかるに了解的方法あるいは了解心理学が,少なくとも精神医学においては,K. Jaspers以来多くの学者により批判,討論されてきたという事実は,それらが上記の要請を完全に満たすものではないことを示していまいか。了解ということがまず了解されなければならないほど,了解の概念あるいはその方法に多くの問題を蔵しているのであろうか?

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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