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文献詳細

雑誌文献

精神医学5巻12号

1963年12月発行

文献概要

動き

麻薬取締法の改正

著者: 林暲1

所属機関: 1元:松沢病院

ページ範囲:P.1005 - P.1007

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 前国会の終りころになつて麻薬取締法改正案が通過し,去る7月11日から施行されるにいたつた。今回の改正は罰則の強化と中毒者の収容が眼目であり,ことに後者の件はわれわれの臨床業務に関係してくる問題である。
「麻薬」というのは独特の法律用語であつて,昭和5年の麻薬取締規則に始まり,その対象は,モルヒネを主とする阿片アルカロイド,これに類する合成薬物およびコカインであり,阿片は刑法に旧刑法(明治13年)以来の趣旨を承けて阿片の吸食,その器具を取締つている。このほかにこれに類する法律としては,大麻取締法,覚醒剤取締法がある。従来麻薬に関する実務については,しばしば麻薬,大麻,阿片と一括して扱われることが多く,覚醒剤は別に扱われるのが常である。
 麻薬取締法は第1章総則から第8章罰則にいたる76条よりなるが,ここに第6章の2として「麻薬中毒者に対する措置」という1章が新たに設けられ,本章の内容は58条の2項から18項に分かたれ中毒老に対する措置の仕方の規定である。これはおそらくここに新しい条項を挿入することのために,従来の章,条の番号の大きく変わることを避けるためであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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