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研究と報告
Cyanamideの使用について
著者: 植山喬1 有安孝義1 岩崎功三1
所属機関: 1総武病院
ページ範囲:P.149 - P.154
文献購入ページに移動酒精中毒者の治療剤としてDisulframが一般的に用いられているが,Disulframは種々の不快な副作用を伴なうのでこの点を検討して1956年Fergusonが他のCarbimideの誘導体の使用を主張し,Armstrong,Kerr,BellはCitrated CalciumCarbimide(TemposilまたはDipsan)の使用を推奨し,1960年向笠はCyanamideによる節酒療法をその臨床経験から述べている。このCyanamide(以下Cy. と略称)の抗酒作用はDisulframと同じくAlcoholの酸化過程をAcetaldehydの段階で障碍するが,そのAlcohol反応はDisulframのそれに比して著しく緩和であるとされている。その後Cy. を用いて岡本らはその50mg以上の頓用で断酒的効果があるとし,また米倉らは2週間連続投与後の飲酒試験でその断酒剤的効果を認めているが,その節酒剤的効果はなお検討を要するとしている。
われわれは今回吉富製薬からCy. の1%の水溶液の提供をうけたのでその1回投与によるAlcohol反応を検討した結果,多少の知見を得たのでその成績を発表する。
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