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文献詳細

雑誌文献

精神医学5巻3号

1963年03月発行

特集 てんかん

〔特集1〕てんかんとその境界領域 Symposium・3

小児のてんかん境界領域—とくに熱性けいれんおよびいわゆる乳児けいれんについて

著者: 福山幸夫1

所属機関: 1東京大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.211 - P.223

文献概要

I.序言
 小児は,脳の発達が未熟なために,成人よりけいれんをおこしやすいことは,すでに古くから知られている。しかし小児期にみられる種々のけいれんが,「てんかん」とどういう関係にあるのか,必ずしも明らかにされていない。このようなけいれん発作のほかにも,小児期には,てんかんとの関係を真剣に論議されているさまざまな精神身体異常があり,その種類の多様性,複雑性は,成人に比し,小児においてさらにいちじるしいものがあるといわなければならない。たとえば,運動性症状を呈するものをのぞいても,発作性の頭痛,腹痛,嘔吐,アセトン血症性嘔吐症(週期性嘔吐症),夜驚症,夜行症,遺尿症,行動異常,性格異常,失神,ナルコレプシーなどが,masked epilepsyとしてしばしばみられる。
 これら多くの事柄についてあまねくふれることは,時間の関係上とうてい不可能なので,ここには話題を(1)熱性けいれん,(2)いわゆる乳児けいれんの2つにしぼることにした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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