文献詳細
文献概要
特集 てんかん 〔特集2〕てんかん概念の変遷 てんかん研究班会議講演より
てんかん概念の変遷
著者: 黒沢良介1
所属機関: 1三重大学
ページ範囲:P.241 - P.243
文献購入ページに移動 「てんかんの成因と治療」綜合研究班の第一同会合で,てんかんの概念についての課題をいただきまして,俄かに勉強した結果を御報告申します。結論を先に申しますと満足な定義はできないということであります。定義することが困難であるということはどの本にも共通に書かれている所でして,症状がいかに多岐であり,てんかんほど実体を掴むことの困難な疾患はないことを物語つております。Penfieldの本,あるいはPsychiatrie derGegenwartのてんかんの部を書いたGerhard Schorschも定義には触れておりません。
最初にてんかんの歴史について書いたOwsei TemkinのThe Falling Sickness(1945年)によつてお話し致します。これはギリシャ時代から現代の神経病学の始まりに至るまでのてんかんの歴史が書かれています。HippocratesからHughlings Jacksonが出る前1850年までの事が書かれてあります。かなり大部の本でして私はその最初の方を一寸読んだにすぎないのですが,それを少し御紹介申します。
最初にてんかんの歴史について書いたOwsei TemkinのThe Falling Sickness(1945年)によつてお話し致します。これはギリシャ時代から現代の神経病学の始まりに至るまでのてんかんの歴史が書かれています。HippocratesからHughlings Jacksonが出る前1850年までの事が書かれてあります。かなり大部の本でして私はその最初の方を一寸読んだにすぎないのですが,それを少し御紹介申します。
掲載誌情報