文献詳細
展望
文献概要
神経性無食欲症に関する国内文献は,最近かなり豊富になつた。このうちでは石川ら1)ならびに私2)の論文が代表的なものであり,石川らの論文は,症状学,病前性格ならびに家庭環境の分析に,私の論文は,病者の内的体験と生活史分析に重点がおかれており,かつ両者の間に原則的な意見の相違はみられぬので,この2論文は互いの不足を相補うものとなつている。また最近は,島崎ら3)の綜説,懸田4)の論述がある。これらの文献を参照していただければ,本症の全貌はほぼ把握しうると思われるので,本稿では,本症にまつわる精神医学的に興味あると考えられる若干の問題をとりあげるにとどめる。
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