文献詳細
文献概要
動き
WHO「精神障害の疫学方法論」会議
著者: 加藤正明1
所属機関: 1国立精神衛生研究所精神衛生部
ページ範囲:P.329 - P.331
文献購入ページに移動第1日はDr. KesselのPsychiatric Epidemiology:its scope and its relation to the rest ofpsychiatry,Dr. LinのHistorical Survey of Psychiatric Epidemiology in AsiaおよびDr. S. K. QuoのBasic Statistical Techniqueの3講演と討議があり,Kesselは疫学研究の2つの目的として治療に対するニードの評価と精神疾患の発生要因の究明をあげ,そのための問題として精神疾患の定義,事例発見などの困難性があるとのべた。Linはアジアの代表的調査研究として,日本の内村,秋元らの調査と厚生省の調査,台湾の3地区の調査(1946年および1948年)と原住民の調査(1962年),タイの地域調査,セイロン調査(1961年),香港のYapの自殺研究(1958),シンガポールでのMurphyの中国人,マレー人,インド人の比較調査(1959),オーストリアのCollmanおよびStollerの蒙古症調査(1962)などをあげ,精神医学的疫学の発展は,精神医学,公衆衛生,社会科学の協同にかかつているとした。Quoは疫学統計の基礎概念として,rateとratioの差,prevalence rate(point prevalenceとperiod prevalence)とincidence rate,disease expectancy rateなどについてのべ,生物統計の利用範囲,サンプリングの方法,サンプルの大きさ,事例発見のための資料,面接調査者の選択などの問題点にふれた。
掲載誌情報