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展望
臨床神経化学の展望
著者: 中脩三1 川北幸男1
所属機関: 1大阪市立大学医学部神経科
ページ範囲:P.423 - P.441
文献購入ページに移動I.はじめに
神経化学の分野での最近のいちじるしい傾向は脳の機能の生化学的理解を直接に目標とする研究と精神神経疾患の病因あるいは病態の生化学的理解を直接に目標とする研究とがしだいに分離しつつある点であろう。もちろんこれは便宜上の分離にすぎないが前者を基礎神経化学というならば後者は病態神経化学とでもよぶべきものである。病態神経化学についてはすでに1958年にストラスブルグで国際シンポジウムが催され(Chemical Pathology of the Nervous System参照)昨年もゲーテボルグでこの問題がとりあげられている。(神経化学1巻6号,2巻1号参照)。
以下ここでは中枢神経症状を伴つた先天代謝異常疾患の研究を中心として分裂病の体液病理学的研究の二,三についてのべてみたい。前者は特に最近注目をあびている領域であり後者は神経化学の究極の目標への直接的接近と考えるからである。
神経化学の分野での最近のいちじるしい傾向は脳の機能の生化学的理解を直接に目標とする研究と精神神経疾患の病因あるいは病態の生化学的理解を直接に目標とする研究とがしだいに分離しつつある点であろう。もちろんこれは便宜上の分離にすぎないが前者を基礎神経化学というならば後者は病態神経化学とでもよぶべきものである。病態神経化学についてはすでに1958年にストラスブルグで国際シンポジウムが催され(Chemical Pathology of the Nervous System参照)昨年もゲーテボルグでこの問題がとりあげられている。(神経化学1巻6号,2巻1号参照)。
以下ここでは中枢神経症状を伴つた先天代謝異常疾患の研究を中心として分裂病の体液病理学的研究の二,三についてのべてみたい。前者は特に最近注目をあびている領域であり後者は神経化学の究極の目標への直接的接近と考えるからである。
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