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I. C. L. による分裂病患者と神経症患者の親子関係の比較
著者: 鈴木浩二1 川久保芳彦1 小浜卓司1 小野和雄1 望月晃1 岩田玲子1 三須秀亮1
所属機関: 1日本大学精神神経科
ページ範囲:P.443 - P.450
文献購入ページに移動1)患者の母親に対する態度では,分裂病と神経症との間で指導-独裁,内気-隠閉,従順-依存,協力-因襲,親切-利他の5カテゴリーに有意差あり,分裂病でそれらの態度が強かつた。とくに患者の母親に対する過度の愛情的態度,依存的態度,母親からよい評価をえようとする態度のいちじるしいことが見出された。
2)患者の評定による,母親の患者に対する態度では,上記5カテゴリー中最後のものをのぞいた四カテゴリーに有意差あり,やはり分裂病でそれらの態度が強かつた。また母親の患者に対する過度の愛情的態度がとくにいちじるしかつた。
3)親子関係において,神経症患者は母親の態度を自他に対しコンスタントなものとみなし,自分の態度の中に問題をみようとするが,分裂病患者は反対に,むしろ,自分の態度をコンスタントなものとして,母親の態度の中に問題をみようとしているど思われた。かつ,神経症患者は,自分の母親に対する態度をもとにして,母親の態度を受けとつていることが示唆された。
4)母親の他人に対する態度では,両群に大差はなかつた。
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