文献詳細
研究と報告
Phenothiazine系薬物投与により錐体外路性運動過多および著明なる錐体路症状を示した1症例
著者: 宮川太平1
所属機関: 1熊本大学神経精神科教室
ページ範囲:P.537 - P.541
文献概要
a)ヒヨレア・アテトーゼ・チック・振顫および筋搐搦などの著明な運動過多症状,
b)バビンスキー・オッペンハイム・ロッソリモ・チャドックおよびメンデル-ベヒテレフ現象や足間代などのいわゆる錐体路症状,および
C)パーキンソニスムス,
などのおこることを観察した。
(2)Chlorpromazine,Perphenazine,Fluphenazineの投薬・量の変化・中止などと,⊥記諸症状の消長とは一致することが,臨床実験で証明された。
(3)本例においては,上記運動過多現象・錐体路症状をおこす作用はFluphenazineがもつとも強く,パーキンソニスムスはChlorprolnazineによりもつともおこりやすいことを認めた。一般にこれらの副作用をおこす力は,Fluphenazineがもつとも強く,あとはPerphenazine,Chlorpromazine,の順であつた。
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