icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学5巻7号

1963年07月発行

文献概要

研究と報告

Phenylketonuriaの姉妹例

著者: 宇野修司1 岩崎正夫1

所属機関: 1和歌山県立医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.543 - P.546

文献購入ページに移動
Ⅰ.緒言
 Fölling1)は1934年Osloにおいて,重症の精神薄弱と尿にPhenylpyruvic acidの排泄とを主徴とする症例を報告した。本症はPhenylalanineがTyrosineに加水分解される過程が障害された先天性異常であり,その尿中にはPhenylpyruvicacid,Phenylacetic acid,Phenyllactic acidなどPhenylalanineの異常代謝産物が排泄される。また,その臨床症状としては,精神薄弱,皮膚や毛髪および紅彩の色素欠乏,皮膚の光線に対する過敏性,湿疹のできやすいこと,特異な獣様の体臭,時にてんかん様けいれん発作および錐体外路性症状などがあげられる。
 本症は,尿中に多量に排泄されるPhenylpyruvic acidに5〜10%塩化第二鉄(FeCl3)水溶液を反応させ,美麗な深青緑色を呈色せしめることにより,容易に診断せられる。また,近時Phenistixと称する試験紙を使用することにより,Phenylpyruvic acidの半定量が可能となつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?