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文献詳細

雑誌文献

精神医学5巻8号

1963年08月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病概念の混乱について

著者: 越賀一雄1

所属機関: 1大阪医科大学神経科

ページ範囲:P.603 - P.608

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Ⅰ.
 精神医学において精神分裂病がそのもつとも枢要な疾患であることはいうまでもなく,従来からこの疾患の診断,病因,基本症状,治療などが種々異なつた面から研究され論ぜられてきたのである。そして今後もさらにそれらの問題がいつそう種々の面から研究されてゆくであろうことは疑いないところである。
 現代の精神分裂病の研究の状況をながめてみてもこれがいかに多方面から研究されているかがわかる。しかしながらそれらの間に何か統一的,綜合的な見解があるようには見受けられない。分裂しているのは精神分裂病の患者でなくて,精神分裂病の研究であるといわれてもしかたのない現状ではないであろうか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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