文献詳細
研究と報告
文献概要
Ⅰ.はしがき
14歳以下の児童における自殺企図頻度は非常に少なく,昭和33年では,10〜14歳の児童の自殺率は男子1.1,女子0.8を示すにすぎない。そして6歳以下の自殺率はそれをはるかに下まわつている。しかも,われわれの調査によれば,児童の自殺企図例の大多数において心因動機が認められ,中でも彼らをとりまく家庭環境が大きな要因となつており,明らかに精神病を思わせる症例はまれである。
この意味で,本症例のごとく幻聴によつて自殺を企てた症例は非常にまれなものであると考えられる。
14歳以下の児童における自殺企図頻度は非常に少なく,昭和33年では,10〜14歳の児童の自殺率は男子1.1,女子0.8を示すにすぎない。そして6歳以下の自殺率はそれをはるかに下まわつている。しかも,われわれの調査によれば,児童の自殺企図例の大多数において心因動機が認められ,中でも彼らをとりまく家庭環境が大きな要因となつており,明らかに精神病を思わせる症例はまれである。
この意味で,本症例のごとく幻聴によつて自殺を企てた症例は非常にまれなものであると考えられる。
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