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文献詳細

雑誌文献

精神医学5巻8号

1963年08月発行

研究と報告

幻聴による児童の自殺企図例

著者: 大原健士郎1 藍沢鎮雄1 佐藤春夫1 小島洋1

所属機関: 1慈恵医大精神神経科教室

ページ範囲:P.623 - P.627

文献概要

Ⅰ.はしがき
 14歳以下の児童における自殺企図頻度は非常に少なく,昭和33年では,10〜14歳の児童の自殺率は男子1.1,女子0.8を示すにすぎない。そして6歳以下の自殺率はそれをはるかに下まわつている。しかも,われわれの調査によれば,児童の自殺企図例の大多数において心因動機が認められ,中でも彼らをとりまく家庭環境が大きな要因となつており,明らかに精神病を思わせる症例はまれである。
 この意味で,本症例のごとく幻聴によつて自殺を企てた症例は非常にまれなものであると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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