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研究と報告
Iminostilbene誘導体G33040(Insidon)の臨床経験,およびその臨床脳波像におよぼす影響
著者: 佐々木邦幸1 藤谷豊1
所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.651 - P.657
文献購入ページに移動最近の向精神薬の発達は,精神医学の治療面において,日進月歩の勢いで効果をあげており,したがつて新薬に対する要求と期待も従来に増して強くなつてきている。この現状の中で,Iminodibenzyl誘導体Imipramineが内因性うつ病などにすばらしい効果を有するというKuhnの報告1)以来,これに類似の薬物が種々合成された。われわれがこの報告に述べるInsidonも,Iminodibenzyl核にきわめて類似したIminostilbene核に,Perphenazineと同一のPiperazine側鎖が結合しているものである。
構造からThymolepticaとNeurolepticaとの副作用を示すであろうとの期待のもとに,1961年Geigy社で成されたものであるが,われわれの本剤の使用成績では,やや異なつた効果が見出されたので以下に報告する。
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