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文献詳細

雑誌文献

精神医学50巻1号

2008年01月発行

文献概要

特集 精神医学的コミュニケーションとは何か―精神科専門医を目指す人のために

子どもの精神療法における精神医学的コミュニケーション―「つながる瞬間」について

著者: 川畑友二1

所属機関: 1クリニック川畑

ページ範囲:P.65 - P.72

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精神療法におけるコミュニケーションの対象としての子ども

 子どもの精神療法は,さまざまな精神的問題を解決するために精神内界を取り扱っていくという基本的な点において,他年代患者の面接と全く同じである。患者に自分の気持ちを表現してもらい,それを理解したうえで患者の症状の軽減や成長発達に役立とうというものである。しかし,子どもという対象に対する面接技法や心構えもやはり必要であろう。ここでは,子どもの精神科におけるコミュニケーションの問題を考えてみたい。

 村瀬7)が述べているように,心身の機能が未分化であることや自我の発達が不十分であることなどから,子どもの精神療法では次のような特徴が挙げられている。

参考文献

1) 土居健郎:方法としての面接.医学書院,1977
2) 土居健郎:勘と勘繰りと妄想.日常語の精神医学.医学書院,pp348-366,1994
3) 土居健郎,小倉清:治療者としてのあり方をめぐって.チーム医療,1995
4) Horton PC 著,児玉憲典 訳:移行対象の理論と臨床.金剛出版,1985
5) 川畑友二:不登校の理解―事例から学ぶ.安田生命社会事業団,1995
6) 川畑友二:青年期前期患者の見立て:見立てを意識化するということ,思春期青年期精神医学 13:117-123,2003
7) 村瀬嘉代子:子どもの精神療法における治療的な展開―目標と終結.児童精神科臨床2「治療関係の成立と展開」.pp19-56,星和書店,1981
8) 小倉清:初回面接.児童精神科臨床1「初回面接」.星和書店,pp53-104,1981
9) Sullivan HS 著,中井久夫,他訳:精神医学的面接.みすず書房,1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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