文献詳細
文献概要
書評
気まぐれ「うつ病」―誤解される非定型うつ病
著者: 樋口輝彦1
所属機関: 1国立精神・神経センター
ページ範囲:P.102 - P.102
文献購入ページに移動 最初にこの本の表題を見たときには,久々に新たな呼称の「うつ病」が登場したかと思った。これまで歴史的に多くのうつ病概念が提唱され,その特徴に応じた名称が与えられてきた。「荷降ろしうつ病」「根こぎうつ病」「逃避型抑うつ」「仮面うつ病」などなど。DSM-Ⅲ以降,大うつ病に一括されて以来,このような呼称はあまり表に出なくなり,新たな呼称も登場しなくなったので,やや寂しく感じている方も少なくないと思われる。小生もこれまでの呼称には味わい深いものがあり,正規の診断名とするかどうかは別にして,日常的に使うのは大変便利であると感じている。したがって,「気まぐれうつ病」を目にしたときには,「久々のヒット病名現る」とやや大げさであるが狂喜乱舞した。
しかし,実際に中身を読み進むうちに,著者が「非定型うつ病」を「気まぐれうつ病」と命名していることがわかり,興奮した気持ちはトーンダウンしたが,逆に新たな発見ができて,その感動にひたることになった。
しかし,実際に中身を読み進むうちに,著者が「非定型うつ病」を「気まぐれうつ病」と命名していることがわかり,興奮した気持ちはトーンダウンしたが,逆に新たな発見ができて,その感動にひたることになった。
掲載誌情報