文献詳細
短報
覚醒剤使用後に生じたamotivational syndromeに対しolanzapineが有効であった1例
著者: 熊谷亮12 竹林佑人12 鈴木博明13 松宮美智子1 菊地祐子14 一青勝雄5 一宮洋介12
所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院メンタルクリニック 2現・順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック 3現・福島県立医科大学附属病院消化器内科 4現・東京都立梅ヶ丘病院精神科 5順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院整形外科
ページ範囲:P.1001 - P.1004
文献概要
マリファナや覚醒剤,コカイン,有機溶剤などの乱用者の中には無気力,生産性の低下,感情の平板化などの性格変化を呈する者がいる。Amotivational syndrome(動因喪失症候群)と呼ばれるこの状態は精神作用物質による慢性的な精神症状とされているが,その治療についてはいまだに確立されたものがない。
今回我々は,覚醒剤使用後にamotivational syndromeを呈し,整形外科病棟に入院した際に治療困難となったが,olanzapineにより症状が改善し入院治療を継続できた症例を経験したので,考察を加え報告する。なお症例の記述に関しては,プライバシー保護のために若干の改変を加えている。
参考文献
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