文献詳細
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術後抑うつに対するsulpiride100mg/日投与で顕著な筋固縮を生じADL回復が遅れた高齢者症例―リエゾン活動での経験
著者: 上田諭1 西川律子2 伊藤敬雄1 大久保善朗1 岩井美幸2 岡崎怜子3
所属機関: 1日本医科大学精神医学教室 2日本医科大学付属病院看護部 3日本医科大学第一内科学教室
ページ範囲:P.1021 - P.1024
文献概要
軽中等度のうつ状態や食欲低下に対して向精神薬sulpirideはしばしば用いられ,その効果から身体各科においても処方されることが少なくない。しかし,副作用としてパーキンソニズムには常に注意が必要であり,特に高齢者に対しては投与量が重要な問題となる。今回,大動脈弁置換術後に100mg(1日量,以下同じ)を持続投与された高齢女性が,顕著な筋固縮と日常生活動作(ADL)低下を呈し,コンサルテーション・リエゾン精神医療6)(以下,リエゾンと略)活動の中での発見と減量によって改善に向かった症例を提示した。個人情報保護の点から,細部を改変している。
参考文献
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