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「第11回世界乳幼児精神保健学会」印象記
著者: 本間博彰1
所属機関: 1宮城県子ども総合センター
ページ範囲:P.1032 - P.1032
文献購入ページに移動 世界乳幼児精神保健学会(World Association for Infant Mental Health:略してWAIMH,会長はフィンランドのタンペレ大学児童精神科教授Tuula Tamminen)の第11回総会横浜学会が,慶應大学小児科の渡辺久子会長のもと,2008年8月1~5日,パシフィコ横浜を会場に開催された。南米,アフリカからの発表もあり,まさに世界中から参加し,その数も2,000名を超えるWAIMHとして最多の参加者を得た総会であった。パシフィコ横浜の1,000名収容のメインホールが連日満員となり,改めて乳幼児精神保健が学際的なフィールドであること,そして時代そのものが乳幼児の精神医学の発展を後押ししている姿に驚かされる思いであった。現代の子どもをめぐる課題の多くが,乳幼児精神保健のフィールドの発展にかかっているともいえる。日本の社会においては,少子化問題,子育て支援,子ども期に増大する心の問題対策,増えるpremature babyとその親への支援,発達障害の早期療育など,時代的な課題を抱え,先の見えない状況が続いている。世界の事情を知ることとともに,多少とも解決の方向性が提示されるような総会であった。
このたびの総会は,書物でしかお目にかかれないような乳幼児精神医学の黎明期を牽引した人物であるBrazelton,CramerそしてSameroffなどによる講演から始まって,マスターレクチャーと称する現在の乳幼児精神医学を代表する方々の教育講演が毎日組まれて,学会参加者の知的欲求をしっかりと満足させてくれた。また,プリナリーセッションでは,精神分析のフィールドのみならず,児童思春期精神医学でも人気の高いPeter Fonagyが招待講演者として登場し,boderline personality disorderについて乳幼児期の愛着の発達などから論じ,格調の高さも驚きではあったが,立ち見のみならず参加者を通路にまで座らせるほどの人気の高さに驚かされた。もう一つ特筆すべき内容は,インターネットを用いたセッションが試みられたことである。私の参加したセッションは,アメリカのシアトルと同時中継で現地の産後うつ病対策プログラムを担当しているKathryn Barnardの講演を受け,学会会場とディスカッションをするものであった。
このたびの総会は,書物でしかお目にかかれないような乳幼児精神医学の黎明期を牽引した人物であるBrazelton,CramerそしてSameroffなどによる講演から始まって,マスターレクチャーと称する現在の乳幼児精神医学を代表する方々の教育講演が毎日組まれて,学会参加者の知的欲求をしっかりと満足させてくれた。また,プリナリーセッションでは,精神分析のフィールドのみならず,児童思春期精神医学でも人気の高いPeter Fonagyが招待講演者として登場し,boderline personality disorderについて乳幼児期の愛着の発達などから論じ,格調の高さも驚きではあったが,立ち見のみならず参加者を通路にまで座らせるほどの人気の高さに驚かされた。もう一つ特筆すべき内容は,インターネットを用いたセッションが試みられたことである。私の参加したセッションは,アメリカのシアトルと同時中継で現地の産後うつ病対策プログラムを担当しているKathryn Barnardの講演を受け,学会会場とディスカッションをするものであった。
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