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文献詳細

雑誌文献

精神医学50巻11号

2008年11月発行

文献概要

オピニオン・医療観察法の見直しに向けて

法律家の立場から

著者: 町野朔1

所属機関: 1上智大学法学研究科

ページ範囲:P.1049 - P.1051

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5年を目途とした検討

 これまでにも,医療観察法の運用を実際に担当する精神医療の現場からは,鑑定入院に関する規定が明確でないこと2),身体合併症治療のために指定入院医療機関以外の病院に転院した入院者(100条3項)に,本法による行動の制限がなし得るか明らかでないこと,誤った診断を前提にした裁判所の決定が確定したときにも「再審」の規定がないことなど,多くの点が指摘されてきた。本稿は,「座学」の立場から,医療観察法における「入院による医療」とその手続きを中心に,医療法としての医療観察法の基本構造という観点から,若干のことを述べる。「入院によらない医療」,地域精神医療については,より複雑で困難な問題があると思われるが,それは別の機会に検討しなければならない。

参考文献

1) 小沼杏坪:医療観察法の事例報告「平成の魔女狩り」の危険あり.日精協誌 25:153-155,2006
2) 柑本美和:法律について知っておくべきこと―医療観察法と精神保健福祉法の関係.松下正明 総編集.司法精神医学5 司法精神医療.中山書店,pp279-286,2006
3) 山本輝之:心神喪失者等医療観察法における強制処遇の正当化根拠と「医療の必要性」について―最高裁平成19年7月25日決定を契機として.中谷陽二 編集代表.精神科医療と法.弘文堂,pp125-144,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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