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文献詳細

雑誌文献

精神医学50巻3号

2008年03月発行

文献概要

特集 精神疾患に対する早期介入の現状と将来

学校現場と精神科臨床の連携

著者: 水俣健一1

所属機関: 1市立秋田総合病院精神科

ページ範囲:P.289 - P.294

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はじめに

 「学校精神保健における精神病,とりわけ精神分裂病への取り組みについては,これまで敬遠されてきたように思われる。その理由には,疾病そのものの抱える問題,社会的偏見,医療や学校側の問題などさまざまにわたるものがある。精神分裂病は思春期に発病するものが多く,100人に1人弱の発病率であり,思春期生徒の日常に学校生活が大きくかかわることを考えれば,精神病という理由で教育になじまないと考えるのではなく,学校精神保健で取り組む重要な課題の一つといわざるを得ない」。

 この文章は,筆者が1997年つまり今から約10年前に当時勤務していた総合病院の医報に『学校精神保健における精神病への治療的関わりについて』という題で投稿した小論の冒頭である。振り返ってみれば,この10年間にスクールカウンセラー制度(1995年)が導入され,「精神分裂病」が「統合失調症」と呼称変更(2002年)され,特別支援教育制度が施行(2007年)されて,精神疾患と学校精神保健の状況は大きな変化をみせようとしている。

 この特集で筆者に与えられた「学校現場における精神疾患に対する早期介入の現状と将来」というテーマについて,上記の視点をふまえて,精神科医の立場から検討してみたいと思う。

参考文献

1) 水俣健一:学校精神保健における精神病への治療的かかわりについて.中通病院医報 35:63-68,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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