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文献詳細

雑誌文献

精神医学50巻3号

2008年03月発行

文献概要

短報

Olanzapineとの関連が考えられた尿失禁の1例

著者: 片桐秀晃1 高橋輝道1 三上一郎1 澤雅世1 馬場麻好1 中原光史1 村岡満太郎1

所属機関: 1特定医療法人大慈会三原病院

ページ範囲:P.295 - P.297

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はじめに

 精神科の日常の臨床において,尿閉をはじめとした排尿困難の副作用には時に遭遇することから,意識して診療が行われていると思われる。しかし,副作用として尿失禁や遺尿は日常診療であまり遭遇することがなく,あまり意識されていないのではないかと思われる。抗精神病薬は,薬剤性の尿失禁を起こす原因薬剤として降圧薬などとともに列挙されている1)。今回,我々はolanzapineによって引き起こされたと思われる尿失禁の1例を経験した。Olanzapineによる尿失禁の報告は,本邦において医学中央雑誌のデータベースなどで調べたところ報告はなく,海外の報告でもPubMedで調べたところ数例あるのみ2,3,5)であることから今回の症例は貴重な症例と考えたので報告する。

参考文献

1) Kiruluta HG, Andrews K:Urinary incontinence secondary to drugs. Urology 22:88-90, 1983
2) Mendhekar DN, Srivastav PK, Sarin SK, et al:A case report of olanzapine-induced fecal incontinence. J Clin Psychiatry 64:339, 2003
3) Sagar R, Varghese ST, Balhara YP:Olanzapine-induced double incontinence. Indian J Med Sci 59:163-164, 2005
4) Vera PL, Miranda-Sousa A, Nadelhaft I:Effects of two atypical neuroleptics, olanzapine and risperidone, on the function of the urinary bladder and the external urethral sphincter in anesthetized rats. BMC Pharmacol 1:4, 2001
5) Vernon LT, Fuller MA, Hattab H, et al:Olanzapine-induced urinary incontinence:Treatment with ephedrine. J Clin Psychiatry 61:601-602, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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