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雑誌詳細

文献概要

短報

甲状腺クリーゼの経過中に,精神運動興奮と精神症状に連動したβブロッカー抵抗性の重篤な頻脈を来し,精神科介入を必要とした1例

著者: 羽多野裕1 津田真1 前林佳朗1 福居顯二2

所属機関: 1大津市民病院精神・心療内科 2京都府立医科大学付属病院 精神神経科

ページ範囲:P.361 - P.363

はじめに

 甲状腺クリーゼでは交感神経亢進による頻脈がみられ,通常はβブロッカーで治療される3)。今回我々は,甲状腺クリーゼとthiamazoleの副作用による無顆粒球症を併発し,精神運動興奮などの激しい精神症状を呈し,さらにβブロッカーのみでは改善が得られない致死的な頻脈を生じた症例を経験したのでここに報告する。なお報告にあたって,患者本人の同意を得た。

参考文献

1) Nicoloff JT:Thyroid storm and myxedema coma. Med Clin North Am 69:1005-1017, 1985
2) 大坪天平,崎岡岩雄,岩波明,他:甲状腺クリーゼに一致して頻回に自殺企図を繰り返したバセドウ病の1例.東京精医誌 13:51-55, 1995
3) 笹野信子,笹野寛,馬場瑛逸,他:多彩な精神・神経症状を呈した甲状腺クリーゼの1症例.日集中医誌 6:387-391, 1999
4) 妹尾久雄:甲状腺機能検査を正しく用いるための生理学.内科 80:811-819, 1997

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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