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文献詳細

雑誌文献

精神医学50巻4号

2008年04月発行

短報

Risperidone内用液に剤型変更することで精神症状および錐体外路症状が改善した1例

著者: 小早川英夫1 藤田康孝12 中野啓子1 柴崎千代1 日笠哲1 竹林実12

所属機関: 1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター精神科 2国立病院機構呉医療センター臨床研究部

ページ範囲:P.375 - P.378

文献概要

はじめに

 2002年に本邦でrisperidone内用液が発売され,統合失調症の急性精神運動興奮状態などに用いられ,精神症状を早期に改善することが報告されている3)。また,risperidoneは他の非定型抗精神病薬と比較して錐体外路症状が比較的出現しやすい薬剤であるが,錠剤または細粒から内用液に剤型変更することでこれらの副作用が軽減したとの報告がなされている6,7)。今回我々は,risperidone錠剤から内用液に変更することで,錐体外路症状だけでなく精神症状の両者の改善がみられた症例を経験したので報告する。

参考文献

1) Guitierrez R, Lee PI, Huang ML, et al:Risperidone:Effects of formulation on oral bioavailability. Pharmacotherapy 17:599-605, 1997
2) 風祭元:Haloperidolと錐体外路性副作用.精神医学 22:1225-1228, 1980
3) 小原喜美夫,甲斐田廣高,梅津郁美,他:精神科救急,急性期におけるrisperidone内用液の使用経験.精神科救急 8:62-69, 2005
4) 大下隆司:Risperidone内用液の原液投与の有用性―口腔粘膜吸収とその効果.臨精薬理 8:1273-1278, 2005
5) 武田俊彦,佐藤創一郎,羽原俊明:Risperidone内用液のD2受容体阻害特性―血漿prolactinを指標にした錠剤との比較.臨精薬理 8:1265-1271, 2005
6) 上村恵一,高橋義人,安田素次:Risperidoneの剤形変更に伴い副作用に改善のみられた5症例.精神医学 48:773-775, 2006
7) 山本暢明,稲田俊也:Risperidone内用液が有効であった慢性統合失調症患者の1例.精神医学 49:201-203, 2007
8) ヤンセンファーマ資料(ホームページより)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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