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文献詳細

雑誌文献

精神医学50巻5号

2008年05月発行

私のカルテから

パソコンの技能で社会復帰したAsperger症候群の1例

著者: 明石俊雄1

所属機関: 1村井病院

ページ範囲:P.471 - P.473

文献概要

はじめに

 近年,青少年による事件のニュースが多いが,その中には精神障害が疑われるケースが少なくない。

 本例には行為障害で当科に3回の入院歴がある。4回目の今回,筆者が初めて主治医となったが,これまでの統合失調症の診断に疑問を感じ,父親(母:故人)から生活・病歴を聴取し直した。ビジネス専門学校では開校以来のパソコン技能を発揮し表彰されたという。結果的に広汎性発達障害(Asperger症候群)の診断が妥当と考えられ,本人,父親に保健師も加えて説明した。退院後自治体の臨時職員に採用されたが,病歴を考えると異例かつ明るいニュースであり紹介したい。なお,プライバシー保護のため内容を若干改変した。

参考文献

1) 林雅次:発達性言語障害.松下正明 編,臨床精神医学講座第11巻 児童青年期精神障害.中山書店,pp129-135, 2003
2) Wing L:Asperger's syndrome:A clinical account. Psychol Med Ⅱ:115-129, 1981
3) 山崎晃資:自閉症.松下正明 編,臨床精神医学講座第11巻 児童青年期精神障害.中山書店,pp61-72, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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