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文献詳細

雑誌文献

精神医学50巻6号

2008年06月発行

文献概要

私のカルテから

頭部外傷後認知症にcarbamazepineが著効した1症例

著者: 加藤悦史1 酒向究2 平井浩2 覚前淳2 兼本浩祐1

所属機関: 1愛知医科大学精神科学教室 2七宝病院

ページ範囲:P.613 - P.615

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はじめに

 頭部外傷後の精神症状にはさまざまなものがあり,これまでにもいくつかの報告がある。脳実質損傷がひどければ,全般性の知能障害が生ずるのは当然と考えられるが,外傷性認知症といえる程度となるのはまれである1,3)。大脳が広く損傷される場合には生存そのものが難しいこともその一因であろう。

 今回我々は,頭部外傷後認知症の周辺症状に対してcarbamazepineが著効した症例を経験したので報告する。

参考文献

1) 大東祥孝:臨床精神医学講座10 器質・症状性精神障害.中山書店,pp385-406,1997
2) Dubois B, Slachevsky A, Litvan I, et al:The FAB:A frontal assessment battery at bedside. Neurology 55:1621-1626, 2000
3) 原田憲一:器質性精神病.医学図書出版,pp162-163,1976
4) 森川将行,飯田順三,徳山明広,他:少量のcarbamazepineにより頭部外傷後の人格情動変化が著明に改善した1症例.日神精薬理誌 20:149-153,2000
5) 小木曽洋三,守屋直樹,上島国利:頭部外傷後,器質性人格障害の病像を呈し,carbamazepineが著効を示した1例.臨精医 21:425-432,1992
6) Okuma T:Effects of carbamazepine and lithium on affective disorders. Neuropsychobiology 27:138-145, 1993
7) 竹崎治彦,花岡正憲:躁うつ病および症候性躁-,うつ状態に対するCarbamazepine(Tegretol)の効果.精神医学 13:173-183,1971

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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