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短報
強迫性障害,自閉症の加療中に診断された皮膚症状を欠く結節性硬化症の1例
著者: 高橋友香1 藤原裕章1 引地充1
所属機関: 1希望ヶ丘ホスピタル
ページ範囲:P.909 - P.911
文献購入ページに移動結節性硬化症(tuberous sclerosis;TS)は,顔面血管線維腫,てんかん発作,精神遅滞を三徴とし,種々の過誤腫を伴う全身疾患である(表)。常染色体優性遺伝とされているが,約80%は孤発例であり,発生頻度は1/6,000~10,000人といわれている1)。自閉症患者の約1%に合併がみられるとの報告があり4),精神科領域で出合う機会も少なくない疾患である。TSでは三徴以外に生命予後にかかわる重篤な合併症が認められるため,その診断は重要であるが,古典的な三徴がそろわない不全型も存在し,臨床場面で見過ごされている可能性がある。今回,自閉症・強迫性障害の加療中に不全型TSの診断が確定した症例を経験したので,以下に報告する。
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