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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻10号

2009年10月発行

巻頭言

わたしたちは「共感」をいかに理解すべきか?

著者: 三野善央1

所属機関: 1大阪府立大学人間社会学部精神保健学

ページ範囲:P.936 - P.937

文献概要

共感の今

 精神療法において,共感は基礎的な要素であると考えられている。それどころか,日常臨床において,患者,クライエントに対しての共感は不可欠であると教育されている。それは,精神科医に限らず,看護師,臨床心理士,精神保健福祉士など精神保健福祉にかかわるすべてのスタッフに当てはまる。精神療法,心理療法における共感の重要性をRogersは,共感的理解(empathic understanding)として指摘している。しかしながら,この共感概念に関しての検討は十分になされているとは言い難い。

 まず共感という言葉の持つ意味について考えたい。共感は明らかに訳語である。英語のempathyの訳語であるともいわれているし,独語のEinfuhlungの訳語との説もあるらしい。いずれにしろ,日本語で日常的に使用されてきたものではない。

参考文献

1) 新版 心理学事典.平凡社,1985
2) ひろちさや:仏教と儒教.新潮社,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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