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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻10号

2009年10月発行

文献概要

特集 若年性認知症をめぐる諸問題

若年性認知症とは

著者: 小阪憲司1

所属機関: 1横浜ほうゆう病院

ページ範囲:P.939 - P.944

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はじめに

 「若年性認知症」は,老年期認知症に比べると患者数はかなり少ないが,若くして発病するため医療面はもちろん,福祉面でも社会的な面でも大きな問題を含んでいる。そこで「若年性認知症をめぐる諸問題」というテーマでこの特集を組んでみた。

 筆者は現在「若年性認知症研究会」の代表世話人をしており,毎年東京と他の大都市(2008年は大阪,2009年は福岡で開催され,2010年は札幌で開催予定)で研究会を開催している。この研究会はもともと故・田邊敬貴 愛媛大学精神科教授が代表世話人を務めており,筆者は発足当時から顧問を仰せつかっていたが,田邊教授が亡くなられたので筆者が彼の後を継いでいる。

 筆者は最近「若年性認知症をめぐって」という総説6)を書いたが,今回はそれをもとに「若年性認知症とは」と題して概説する。

参考文献

1) Adams RD, Fisher CM, Hakim S, et al:Symptomatic occult hydrocephalus with "normal" cerebrospinal-fluid pressure:A treatable syndrome. New Engl J Med 273:117-126, 1965
2) 朝田隆:若年性認知症の疫学.精神医学 51:945-952,2009
3) 池田学:前頭側頭型認知症.日本老年精神医学会専門医認定委員会 編,改訂・老年精神医学講座:各論.ワールドプランニング,pp69-88,2009
4) 若年痴呆研究班 編:若年期の脳機能障害者介護マニュアル.ワールドプランニング,2000
5) 小阪憲司:非アルツハイマー型痴呆の病態.臨精医 30:225-230,2001
6) 小阪憲司:若年性認知症をめぐって.日認知症ケア会誌 8:9-13,2009
7) 小阪憲司:レビー小体型認知症.日本老年精神医学会専門医認定委員会 編,改訂・老年精神医学講座:各論.ワールドプランニング,pp55-67,2009
8) Maurer K, Maurer U 著,新井公人 監訳:アルツハイマー―その生涯とアルツハイマー病発見の軌跡.保健同人社,2004
9) McKeith IG, Galasko D, Kosaka K, et al:Consensus guidelines for the clinical and pathological diagnosis of dementia with Lewy bodies(DLB):Report of the consortium on DLB international workshop. Neurology 47:1113-1124, 1996
10) 宮永和夫:若年認知症の臨床.新興医学出版社,2007
11) 目黒謙一:血管性認知症―遂行機能と社会適応能力の障害.ワールドプランニング,2008
12) 日本正常圧水頭症研究会 特発性正常圧水頭症診療ガイドライン作成委員会:特発性正常圧水頭症診療ガイドライン.メディカルレビュー社,2004
13) Onari K, Spatz H:Anatomische Beiträege zur Lehre von der Pickschen umschriebenen Grosshirnrindenatrophie(Picksche Krankheit). Z ges Neurol Psychiat 101:470-511, 1926

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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