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雑誌詳細

文献概要

特集 若年性認知症をめぐる諸問題

若年性認知症の支援制度の問題点

著者: 平野憲子1

所属機関: 1北海道若年認知症の人と家族の会事務局

ページ範囲:P.967 - P.971

はじめに

 北海道若年認知症の人と家族の会は,各地で孤立して悩んでいる家族がなんとか支えあいたいと集まり,関係者の支援を受けて2006年9月に発足した。現在,60数家族と支援会員も含め180名ほどが会員となり活動をしている。この間,若年性認知症への社会の関心は高まってきていることは実感するものの,抱えている課題の手立ては少なく,相談ではともに悩むことが多い。

 2009年3月に,厚生労働省(以下,厚労省)の若年性認知症支援対策の通知が出され,国の制度として初めて若年性認知症対策が記されたが,これが具体化され,地方自治体や地域で利用できるまでにはまだまだ先のように思われる。

 筆者に与えられたテーマは,昨今,さまざまな立場から指摘されており3~5),本稿では若年性認知症実態調査を通した家族の声とこれまでの当会の活動から,若年性認知症支援のネックとなっている就労支援,社会参加支援,経済的支援,さらには認知症の制度上の問題について述べたい。

参考文献

1) 朝田隆:若年性認知症の実態と対応の基盤整備に関する研究―平成20年度総括・分担研究報告書.p81,2009
2) 北海道若年認知症の人と家族の会 編:若年認知症の人とその家族に対する実態調査報告書(札幌市).札幌市発,2008
3) 宮永和夫:若年認知症認知症者家族の現状.日本認知症ケア学会誌 8:14-25,2009
4) 認知症介護研究・研修大府センター 編:若年認知症支援ハンドブック.2008
5) 沖田裕子:若年認知症の人へのオーダーメイドの支援のために.日認知症ケア学会誌 8:34-50,2009

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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