icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻10号

2009年10月発行

特集 若年性認知症をめぐる諸問題

若年性認知症者の就労問題

著者: 伊藤信子1 田谷勝夫1

所属機関: 1独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 障害者職業総合センター

ページ範囲:P.973 - P.976

文献概要

はじめに

 厚生労働省は,2008年7月に発表された「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の報告書において「若年性認知症対策を積極的に推進するため,財源の確保も含め,必要な措置を講じていく必要がある」と基本方針の中で示している。就労支援に関しては,「医療・福祉と雇用・就労の関係者からなる若年性認知症就労支援ネットワークの創設」を挙げており,個別の状態に応じた支援体制を構築することが課題となっている1)

 在職中に発症した若年性認知症者に対する雇用対策は喫緊の直接的,具体的な課題となっている。こうした若年性認知症者に対する職業リハビリテーションのテーマは,「認知障害」および「症状の進行性」という障害特性から起こる「就労の継続」の困難さに焦点が当てられるが,若年性認知症者の就労実態や就労支援ニーズ,障害特性に基づく具体的な支援策,整備すべき物理的・人的環境などに関しては,一部でその取り組みが始められているものの,基礎的情報の集約も不十分なのが現状である。

 障害者職業総合センターでは2008年度から「若年性認知症者の就労継続に関する研究」に取り組んでいる。その一環として,家族会の協力を得て,若年性認知症者の就労実態に関する調査をしたので,その結果に基づき就労問題について概観し,取り組むべき課題について検討する。

参考文献

1) 厚生労働省:「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」報告書,2008(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0710-1.html)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら