icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻10号

2009年10月発行

特集 若年性認知症をめぐる諸問題

若年性認知症の家族会から

著者: 干場功1

所属機関: 1若年認知症家族会・彩星の会

ページ範囲:P.977 - P.981

文献概要

彩星の会

 若年認知症家族会・彩星の会が発足してから8年,この間会員からは多くの問題提起をしていただけたのではないかと思う。筆者自身は,妻美子の10年間の介護生活を経て,2006年12月に看取りを終えたが,初期の会員の中にもここにきて,長期の介護生活を終えられる方がちらほらと出てきているのが現状である。この時期を迎え,会員の歩む方向にそれぞれ変化が起きている。一方で入院,入所を迎える介護家族がある中,もう一方で,最近の早期診断により,30代後半から40代の患者の方も少数ながら目立ってきているようである。これらの家族の今後の生活を考える時,現在使うことのできる社会資本だけではとても太刀打ちできるものではないと思われる。それと同時に,家族会としてそのような会員をどう支えられるかと考えると,その限界を感じざるを得ないところである。

 本年,厚生労働省(以下,厚労省)は,認知症プロジェクトを提唱し,若年性認知症対策についてもその概要を発表した。2009年度予算において各事業に対する経費を計上しているのであるが,各都道府県がそれをどれだけ実施することができるのか,とても不安な気持ちでいるのが現状である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら