文献詳細
動き
「The 9th International Review of Bipolar Disorderr (IRBD)(ポルトガル・リスボン)」印象記
著者: 阿部又一郎12
所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所 精神生理部 2エスキロール病院
ページ範囲:P.1026 - P.1027
文献概要
Bipolar spectrum概念の拡大と,それによる過剰診断傾向にはもちろん議論のあるところだが,うつ病患者の増大とそれによる社会的インパクトが先進諸国に共通する問題となり,双極性が疑われるケースに安易に抗うつ薬を投与することのリスクがしばしば指摘されている精神科臨床(および製薬会社)の現在の動向を反映した動きともいえるだろう。リスボンでは,本大会の始まる前日5日からすでにポルトガル国内の精神科医を対象にbipolar symposiumが開催されていた。こちらは,大会長であったリスボン大学精神科Figueira教授の主催のもと1995年より毎年行われているシンポジウムであり,同時開催されたこの5月初旬はまさに双極性障害週間であった。
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