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通過症候群の原因としてCPM・EPMが疑われた1例―低ナトリウム血症治療の注意を含めて
著者: 武井史朗12 佐々木高伸13 和田健1 福本拓治12 矢野智宣14 佐藤悟朗5
所属機関: 1広島市立広島市民病院精神科 2広島大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経医科学 3佐々木メンタルクリニック 4府中市立湯が丘病院 5草津病院
ページ範囲:P.1129 - P.1131
文献購入ページに移動意識障害を生じる重篤な身体疾患の急性期から慢性期への移行期(回復期)に,意識障害は目立たないがさまざまな精神症状を呈することがあり,その状態をWieckは「通過症候群」とした4)。しかし,原因となる身体疾患は特に限定されておらず,精神症状を生じる機序も多岐にわたると考えられる。今回我々は意識障害を伴う低ナトリウム血症の治療後に通過症候群を呈し,その原因として橋中心性髄鞘崩壊症(central pontine myelinolisis;CPM)および橋外髄鞘崩壊症(extra pontine myelinolisis;EPM)が疑われた症例を経験したので報告する。
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