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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻12号

2009年12月発行

文献概要

研究と報告

精神科における広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度(PARS)思春期・成人期尺度の有用性についての予備的検討

著者: 安田由華1234 橋本亮太1234 大井一高234 福本素由己234 高村明孝234 毛利育子1 谷池雅子1 武田雅俊12

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科附属子どものこころの分子統御機構研究センター 2大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室 3 4

ページ範囲:P.1197 - P.1203

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抄録

 広汎性発達障害(pervasive developmental disorder;PDD)の診断補助ツールとして,広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度(PDD-Autism Society Japan Rating Scale;PARS)が開発された。我々は初めて,開発時とは別の集団を用いて,PARS思春期・成人期尺度の疾患鑑別能力について追試した。対象は精神科で問題となりやすい,幼児期には問題が顕在化せず,平均16歳で初めて精神科を受診したPDD19名と,その他の精神疾患27名である。その結果,精神科日常臨床において,PARS短縮版の現在評定のみで,非常に簡便にPDDを鑑別できる可能性が示唆された。

参考文献

1) 安達潤,行廣隆次,井上雅彦,他:日本自閉症協会広汎性発達障害評定尺度(PARS)児童期尺度の信頼性と妥当性についての検討.臨精医 35:1591-1599,2006
2) 安達潤,行廣隆次,井上雅彦,他:広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度(PARS)短縮版の信頼性・妥当性についての検討.精神医学 50:431-438,2008
3) American Psychiatric Association:Quick Reference to the Diagnostic Criteria from DSM-Ⅳ-TR. Washington D.C. and London, 2000(高橋三郎,大野裕,染矢俊幸 訳:DSM-Ⅳ-TR精神疾患の分類と診断の手引 新訂版.医学書院,2005)
4) 神尾陽子:高機能広汎性発達障害の診断と治療の実際.精神科治療学 18:227-233,2003
5) 神尾陽子,行廣隆次,安達潤,他:思春期から成人期における広汎性発達障害の行動チェックリスト―日本自閉症協会版広汎性発達障害評定尺度(PARS)の信頼性・妥当性についての検討.精神医学 48:495-505,2006
6) Kan CC, Buitelaar JK, van der Gaag RJ:Autism spectrum disorders in adults. Ned Tijdschr Geneeskd 152 Review:1365-1369, 2008
7) 日本自閉症協会:自閉症・発達障害の行動評価チェックリストとマニュアル2004.日本自閉症協会,2004
8) Tidmarsh L, Volkmar FR:Diagnosis and epidemiology of autism spectrum disorders. Can J Psychiatry 48(8), Review:517-525, 2003
9) 辻井正次,行廣隆次,安達潤,他:日本自閉症協会広汎性発達障害評価尺度(PARS)幼児期尺度の信頼性・妥当性の検討.臨精医 35:1119-1126,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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