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追悼
文献概要
私には「偲ぶ」という言葉がまだしっくりこない。ここ10年,主に私のほうの健康上の理由で,学会からも遠ざかっていたからであろうが,お会いしたことも,お姿を拝見したことも少ない。ただ,頻繁な文通があったから,手紙が今しばらく途絶えているな,という感じである。東京に行きさえすればお会いできるという感じもある。偲ぶ会に出席すれば,少しはけじめがつくだろう。しかし,天の配慮か否か,偲ぶ会には眼の手術の前日で行けなくなった。私の生命が続くしばらくの間は,先生と私との間はこれまでとあんまり変わらないような気がする。
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